児童手当が拡充されるようですが、扶養控除は廃止となるのでしょうか?


― M社 ―
M社経理部まいと顧問税理士が、打ち合わせをしています。

そういえば、児童手当が拡充されるって話、本当ですか?

そうですね。
6月13日に閣議決定された「こども未来戦略方針」に、児童手当の拡充について記載されていますね。

ただ増えるわけはないですよね?

そうですね。
高校生までの支給期間の延長の脚注として、“扶養控除との関係をどう考えるか整理する”とありましたので、何らかの見直しがあるかもしれませんね。

私の弟が高校生になって、ようやく年少扶養親族から卒業して扶養控除になる、って父がいってたんですけど、また対象外になるかもしれないってことですよね?

そうですね。
年少扶養親族に対する扶養控除廃止と同じようになってしまえば、そうなりますね。

高校の就学支援金だって受け取れるかなぁていうレベルなんですけどね。
児童手当がもらえたって、扶養控除がなくなったり、そのおかげで所得金額が増えて就学支援金がもらえなくなったら、意味ないんですけどね。

そうですね。
こども手当創設に伴う年少扶養親族に対する扶養控除の廃止も、高校の実質無償化(高等学校等就学支援金)創設に伴う16歳から18歳までの特定扶養控除の上乗せ部分の廃止も、税金の負担増の方が大きい方にとっては痛手となっているでしょうから、今回の件で扶養控除が見直され、その結果、もらえたはずの給付金がもらえなくなってしまったり、税金の負担の方が重くなったりする世帯にとっては、非常に厳しいことになりますね。

一度廃止してしまうと、なかなか戻せないですよね。

そうですね。
児童手当は所得制限が設けられたのにもかかわらず、扶養控除は何ら見直されていませんからね。

何だか色々と考えてしまいますね。

そうですね。

今回の児童手当の拡充は、いつ頃からスタートするのですか?

「こども未来戦略方針」によれば、2024年度中の実施が検討されているようで、一部報道では、2024年10月(支給開始は2025年2月)からとなるよう準備が進むようです。

そうすると、税制改正はいつになるのでしょうか。

最短は次の“令和6年度税制改正”、になります。
我々は、成り行きを注視するしかないでしょうね。

そうですね。
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